續拾遺和歌集　卷第一　春歌上


 0001　春立はるたつ心こころを詠侍よみはべりける


0002　千五百番歌合せんごひゃくばんのうたあはせに


0003　久安六年きうあんろくねん崇德院すとくゐんに百首歌奉ひゃくしゅのうたたてまつりける時とき、春始歌はるのはじめのうた


0004　題知だいしらず


0005　建保四年けんほうよねん後鳥羽院ごとばゐんに百首歌奉ひゃくしゅのうたたてまつりける時とき


0006　初春之心はつはるのこころを


0007　寳治元年十首歌合ほうぢぐわんねんのじっしゅのうたあはせに、早春霞さうしゅんのかすみ


0008　題知だいしらず


0009　【○承前。無題。】


0010　人人ひとびとに百首歌召ひゃくしゅのうためされし序ついでに


0011　【○承前。召人人詠百首歌之際。】


0012　殘雪之心ざんせつのこころを


0013　建長六年けんちゃうろくねん三首歌合さんしゅのうたあはせに、鶯うぐひす


0014　千五百番歌合せんごひゃくばんのうたあはせに


0015　障子しゃうじに山里梅やまざとのむめに鶯描うぐひすかきたる所ところを詠侍よみはべりける


0016　位くらゐに御座おましましける時とき、殿上人うへのをのこども雪中梅ゆきのなかのむめと云いへる心こころを仕奉つかうまつりける序ついでに


0017　同心おなじこころを


0018　建保四年百首歌奉けんほうよねんのひゃくしゅのうたたてまつりける時とき


0019　題知だいしらず


0020　千五百番歌合せんごひゃくばんのうたあはせに


0021　若菜わかなを詠よませ給たまひける


0022　寳治二年ほうぢにねん後嵯峨院ごさがゐんに百首歌奉ひゃくしゅのうたたてまつりける時とき、澤若菜さはのわかなを


0023　題知だいしらず


0024　野外霞やぐわいのかすみ


0025　建保二年けんぽうにねん內裏詩歌だいりのしかを合あはせられ侍はべりける時とき、同心おなじこころを


0026　洞院攝政家百首歌とうゐんせっしゃうのいへのひゃくしゅのうたに、霞かすみ


0027　【○承前。洞院攝政家百首歌中，霞。】


0028　文永四年ぶんえいよねん內裏詩歌だいりのしかを合あはせられ侍はべりし時とき、春日望山はるひやまをのぞむ


0029　春歌中はるのうたのなかに


0030　【○承前。春歌中。】


0031　文永二年七月ぶんえいにねんふみづき白河殿しらかはどのにて人人題ひとびとだいを探さぐりて七百首歌仕奉ななひゃくしゅのうたつかうまつりける時とき、瀧霞たきかすみを


0032　名所百首歌奉めいしょのひゃくしゅのうたたてまつりける時とき


0033　田子浦たごのうらに罷まかりて詠侍よみはべりける


0034　海邊霞うみべのかすみと云いふ事ことを


0035　霞隔浦かすみへだてるうらと云いへる心こころを


0036　題知だいしらず


0037　【○承前。無題。】


0038　弘長元年こうちゃうぐわんねん百首歌奉ひゃくしゅのうたたてまつりける時とき、霞かすみを


0039　建長二年けんちゃうにねん詩歌しかを合あはせられ侍はべりける時とき、江上春望えのうへにはるをのぞむ


0040　夾路柳繁けふろやなぎしげりと云いふ事こっとを


0041　建保四年內裏けんほうよねんだいりの百番歌合ひゃくばんのうたあはせに


0042　雨中柳あめのなかのやなぎと云いへる心こころを


0043　題知だいしらず


0044　建長六年三首歌合けんちゃうろくねんのさんしゅのうたあはせに、梅むめ


0045　春歌中はるのうたのなかに


0046　家いへに十首歌詠侍じっしゅのうたよみはべりけるに、梅風むめのかぜと云いへる心こころを


0047　建長六年三首歌合けんちゃうろくねんのさんしゅのうたあはせに、梅むめ


0048　題知だいしらず


0049　里さとに出いでたる人ひとの遲參おそくまゐりければ、梅花折むめのはなをりて遣つかはすとて


0050　故鄉梅ふるさとのむめと云いふ心こころを詠侍よみはべりける


0051　曉歸鴈かへるかりのあかつきのかへるかりと云いへる事ことを


0052　光明峯寺入道前攝政家歌合くわうみゃうほうじにふだうさきのせっしゃうのいへのうたあはせに、霞中歸雁かすみのなかのかへるかり


0053　百首歌奉ひゃくしゅのうたたてまつりし時とき


0054　歸鴈かへるかりを


0055　尋山花やまのはなをたづねると云いへる心こころを


0056　花歌中はなのうたのなかに


0057　冷泉太政大臣れいぜいだいじゃうだいじん、北山花咲きたやまのはなさきなばと賴たのめて後のち、訪おとづれず侍はべりければ遣つかはしける


0058　弘長元年百首歌奉こうちゃうぐわんねんのひゃくしゅのうたたてまつりける時とき、花はな


0059　題知だいしらず


0060　建保四年百首歌奉けんほうよねんのひゃくしゅのうたたてまつりける時とき


0061　道助法親王家だうじょほふしんわうのいへに五十首歌ごじっしゅのうた詠侍よみはべりけるに、山花やまばな


0062　建保三年五首歌合けんぽうさんねんのごしゅのうたあはせに、春山朝あるやまのあさ


0063　花歌中はなのうたのなかに


0064　【○承前。花歌中。】


0065　【○承前。花歌中。】


0066　暮山春望くれやまにはるをのぞむと云いふ事ことを


0067　山階入道左大臣家やましなにふだうさだいじんのいへに十首歌詠侍じっしゅのうたよみはべりけるに、寄霞花かすむはなによすると云いへる心こころを詠よみて遣つかはしける


0068　文永四年內裏詩歌合ぶんえいよねんのだいりのしかあはせに春日望山はるひにやまをのぞむ


0069　前大納言為家家さきのだいなごんためいへのいへに百首歌詠侍ひゃくしゅのうたよみはべりけるに


0070　大納言通方だいなごんみちかた、藏人頭くらうどのとうに侍はべりける時とき、內うちより女房伴にょうばうともなひて月明つきあかき夜よ、大炊殿おほひどのの花見はなみに罷まかりけるを聞召きこしめして遣つかはされける


0071　題知だいしらず


0072　【○承前。無題。】