新後撰和歌集 卷第九 釋教歌


0608 法華經方便品ほけきゃうのはうべんほん其智惠門ごちゑもん難解難入之心なんげなんにゅうのこころ


0609 譬喻品ひゆぼん


0610 今得無漏無上大果いまむろむじゃうのだいかをう


0611 授記品じゅきほん


0612 【○承前。授記品。】


0613 化城喻品けじゃうゆほん


0614 五百弟子品ごひゃくでしぼん


0615 以無價寳珠繋著內衣裏むげのほうじゅをもちてないえりにつなぐ


0616 【○承前。以無價寳珠,繋著內衣裏。】


0617 須臾聞之しゅゆもんし即得究竟すなはちくきゃうをえる


0618 寂寞無人聲じゃくまくむにんじゃう讀誦此經典どくじゅしきゃうでん


0619 乃至以身ないしみをもて而作床座ゆかざとなし


0620 不信是經ふしんしきゃう則為大失すなはちたいしつ


0621 不輕品ふきゃうほん


0622 神力品じんりきほん


0623 於我滅度後おがめつどご應受持此經おうじゅじしきゃう


0624 是人於佛道ぜにんおぶつだう決定無有疑けつぢゃうむうぎ


0625 囑累品ぞくるいほん


0626 若為大水所漂にゃくいだいすしょひょう稱其名號しょうごみゃうがう則得淺處そくとくせんじょ


0627 觀普賢經くわんふげんぎゃう見諸障外事けんしょしょうげじ


0628 同經之心おなじきゃうのこころ


0629 題知だいしらず


0630 天台法門てんだいのほふもん御尋みたづねにあづかこと代代よよりぬることおもひて詠侍よみはべりける


0631 釋教之心しゃくけうのこころ


0632 【○承前。詠釋教之趣。】


0633 いへ花五十首歌詠侍はなのごじっしゅのうたよみはべりけるに


0634 久安百首歌きうあんのひゃくしゅのうた


0635 二月十五日夜きさらぎもちづきのよ湛空上人たんくうしゃうにんまをつかはしける


0636 かへ


0637 文永七年冬頃ぶんえいしちねんふゆのころ內裏だいりにて寒御祈さむきのみいのりため如法佛眼にょほふぶつげん法修ほっしゅはべりけるとき雪降ゆきのふりてはべりければ、承元しょうげん昔跡むかしのあとおもひてまをさせはべりける


0638 御返おほむかへ


0639 正安二年しゃうあんにねん法皇ほふわう灌頂授奉くわんぢゃうさづけたてまつりてのちやま其跡稀そのあとまれなることおもひて詠侍よみはべりける


0640 大日經だいにちきゃう


0641 理趣經りしゅきゃう慾無戲論性よくぶきろんせい故瞋無戲論性こしんぶきろんせい


0642 父母所生身ぶもしょしゃうしん即證大覺位そくしょうだいかくゐこころ


0643 成自然覺せいしぜんかく不由他悟ふゆたご


0644 密嚴世界みつごんせかい


0645 傳法でんぽふついで思續侍おもひつづけはべりける


0646 一流いちりうことおもひて詠侍よみはべりける


0647 弘安元年百首歌奉こうあんぐわんねんのひゃくしゅのうたたてまつりしとき


0648 百首歌召ひゃくしゅのうためされしついでに、釋教しゃくけう


0649 題知だいしらず


0650 【○承前。無題。】


0651 月明つきあかかりける西行法師さいぎゃうほふし詣來まうできはべりけるに、出家之志有しゅっけのこころざしあよし物語ものがたりしてかへりけるのち其夜名殘多そのよのなごりおほかりし由等申よしなどまをおくるとて


0652 かへ


0653 心月輪之心しんがちりんのこころ


0654 【○承前。心月輪之趣。】


0655 蓮生法師れんしょうほふし松島まつしままうでて、法門等談ほふもんなどだんじて歸侍かへりはべりけるにつかはしける


0656 かへ


0657 美福門院びふくもんゐんに、極樂六時讚ごくらくろくじのさんかせられて、くべき歌仕奉うたつかうまつりけるに、七重寳樹之風しちぢゅうほうじゅのかぜには一實相理いちじっさうのことわり調しらべむ


0658 無量壽經四十八願之心むりゃうじゅきゃうのしじふはちぐわんのこころ詠侍よみはべりけるに、聞名具德願もんみゃうぐとくぐわん


0659 具足諸相願ぐそくしょさうぐわん


0660 觸光柔軟そっくわうにうなんぐわん


0661 觀無量壽經くわんむりゃうじゅきゃう正坐西向諦觀於日にしむかひせいざしひにていわくんしこと


0662 水想觀すいさうくわん


0663 光明遍照十方世界之心くわうみゃうへんぜうじっぱうせかいのこころ


0664 釋教歌中しゃくけうのうたのなか


0665 是心是佛之心ぜしんぜぶつのこころ


0666 下輩觀げはいくわんませたまひける


0667 耆闍會ぎじゃゑ


0668 阿彌陀經あみだきゃう歡喜信受之心くわんぎしんじゅのこころ


0669 三輩一向さんぱいいっかう專念無量壽佛せんねんむりゃうじゅぶつ


0670 一切善惡凡夫いっさいぜんあくぼんぶ得生者とくしゃうしゃ


0671 釋教之心しゃくけうのこころ


0672 阿彌陀あみだ


0673 【○承前。詠阿彌陀。】


0674 人許ひとのもとより。「西にしく、みひをしえよ。」とまをしてはべりければ


0675 同樣おなじさままをしけるひと


0676 題知だいしらず


0677 往生禮讚Waうじゃうらいさんに、必有事礙不及向西方かならずことさはりありてせいほうへむかふことおよばず但作向西想亦得ただしにしへむかふるなすことまたえること


0678 彌勒みろく


0679 天王寺てんわうじまうでて詠侍よみはべりける


0680 同寺おなじてらにて、所所ところどころ人人歌ひとびとうた詠侍よみはべりけるに、龜井かめゐ


0681 久安百首歌きうあんのひゃくしゅのうたに、釋教しゃくけう


0682 合會有別離之心ごうかいゆうべつりのこころ


0683 釋教歌中しゃくけうのうたのなか


0684 金剛般若經こんがうはんにゃきゃう不應取法ふおうしゅほふ不應取非法ふおうしゅひほふ


0685 我於阿耨多羅三藐三菩提われあのくたらさんみゃくさんぼだいに乃至無有小法ないしせうほふあることなし


0686 最勝王經さいしょうわうきゃう吉祥天女品之心きちじゃうてんにょほんのこころ


0687 圓覺經ゑんがくきゃう始知眾生本來成佛しちしゅじゃうほんらいじゃうぶつ生非涅槃猶如昨夢しゃうひねはんにしてゆにょさくむこころ


0688 欲知過去因よくちくわこいん見其現在果けんごげんざいくわ


0689 眾生無邊誓願度しゅじゃうむへんせいぐわんど


0690 以觀觀昏いくわんくわんこん即昏而朗そくこんじろう


0691 大日經三三昧那品だいにちきゃうさんざんまやほん現般涅槃げんはんねはん成就眾生じゃうじゅしゅしゃう


0692 弘决ぐけつ秋九月あきのながつき從慈始入天台ぢしにしたがててんだいにはいるこころ


0693 迷悟一如之心めいごいちにょのこころ


0694 一念不生いちねんふしゃう


0695 堀河院ほりがはゐん百首歌奉ひゃくしゅのうたたてまつりけるとき


0696 煩惱即菩提之心ぼんのうそくぼだいのこころ


0697 題知だいしらず


0698 五戒歌中ごかいのうたのなかに、不妄語戒ふまうごかい


0699 釋教之心しゃくけうのこころ


0700 【○承前。釋教之趣。】


0701 【○承前。釋教之趣。】


0702 厭離穢土之心えんりゑどのこころ


0703 題知だいしらず


0704 【○承前。無題。】


0705 百首歌奉ひゃくしゅのうたたてまつりしとき釋教しゃくけう


0706 同心おなじこころ


0707 【○承前。詠同心。】


0708 叡山えいざん谷谷たにだに習返侍ならひかへはべ法門事ほふもんのことまをしけるひと返事かへりごと


0709 唯識論ゆいしきろんの、由此有諸趣ゆしうしょしゅ及涅槃證得およびねはんしょうとくこころ


0710 如清水珠能清濁之心にょしやうすいじゅのうしやうだくのこころ


0711 題知だいしらず


0712 盆頃ぼにのころ佛御前ほとけのみさきさぶらひて思續侍おもひつづけはべりける


0713 釋教歌しゃくけうのうたとて