新古今和歌集　卷第九　離別歌


 0857　陸奧國(みちのくに)に下侍(くだりはべり)ける人(ひと)に、裝束贈(さうぞくをく)るとて、詠侍(よみはべり)ける


0858　題知(だいし)らず


0859　淺(あさ)からず契(ちぎ)りける人(ひと)の、型別侍(ゆきわかれはべり)けるに


0860　田舍(ゐなか)へ罷(まか)りける人(ひと)に、旅衣遣(たびごろもつか)はすとて


0861　陸奧國(みちのくに)に下侍(くだりはべり)ける人(ひと)に


0862　逢坂關近渡(あふさかのせきちかきわた)りに住侍(すみはべり)けるに、遠所(とほきところ)に罷(まか)りける人(ひと)に餞侍(はなむけしはべ)るとて


0863　寂昭上人(じゃくせうしゃうにん)入唐(にったう)し侍(はべり)けるに、裝束贈(さうぞくをく)りけるに、立(た)ちけるを知(し)らで、追(おひ)て遣(つか)はしける


0864　返(かへ)し


0865　題知(だいし)らず


0866　陸奧國介(みちのくにのすけ)にて罷(まか)りける時(とき)、範永朝臣許(のりながのあそんのもと)に遣(つか)はしける


0867　返(かへ)し


0868　大宰帥隆家下(ださいのそちたかいへくだ)りけるに、扇賜(あふぎたま)ふとて


0869　亭子院(ていじのゐん)、宮瀧御覽(みやたきごらむ)じに御座(おは)しましける御供(おほむとも)に、素性法師(そせいほふし)、召具(めしぐ)せられて、參(まゐ)れりけるを、住吉郡(すみよしのこほり)にて暇賜(いとまたま)はせて、大和(やまと)に遣(つか)はしけるに、詠侍(よみはべり)ける


0870　題知(だいし)らず


0871　成尋法師(じゃうじんほふし)、入唐(にったう)し侍(はべり)けるに、母(はは)の詠侍(よみはべり)ける


0872　修行(すぎゃう)に出立(いでた)つとて、人許(ひとのもと)に遣(つか)はしける


0873　老(お)いたる親(おや)の、七月七日(ふづきなぬか)、筑紫(つくし)へ下(くだ)りけるに、遙(はる)かに離(はな)れぬる事(こと)を思(おも)ひて、八日曉(やうかのあかつき)、追(お)ひて舟(ふね)に乘(の)る所(ところ)に遣(つか)はしける


0874　實方朝臣(さなかたのあそん)の陸奧國(みちのくに)へ下侍(くだりはべり)けるに、餞(はなむけ)すとて詠侍(よみはべり)ける


0875　返(かへ)し


0876　七月許(ふづきばかり)、美作(みまさか)へ下(くだ)るとて、都人(みやこのひと)に遣(つか)はしける


0877　東宮(みこのみや)と申(まうし)ける時(とき)、大宰大貳實政(ださいのだいにさねまさ)、學士(がくし)にて侍(はべり)ける、甲斐守(かひのかみ)にて下侍(くだりはべり)けるに、餞賜(はなむけたま)はすとて


0878　陸奧國守基賴朝臣(みちのくにのかみもとよりのあそん)、久(ひさ)しく逢見(あひみ)ぬ由申(よしまうし)て、何時上(いつのぼ)るべしとも言(い)はず侍(はべり)ければ


0879　修行(すぎゃう)に出侍(いではべり)けるに詠(よ)める


0880　俄(には)かに都(みやこ)を離(はな)れて、遠罷(とほくまか)りにけるに、女(をみな)に遣(つか)はしける


0881　別心(わかれのこころ)を詠(よ)める


0882　【○承前。詠別之趣。】


0883　守覺法親王(しゅかくほふしんわう)、五十首歌詠(ごじつしゅのうたよ)ませ侍(はべり)ける時(とき)


0884　登蓮法師(とうれんのほふし)、筑紫(つくし)へ罷(まか)りけるに


0885　陸奧國(みちのくに)へ罷(まか)りける人(ひと)に餞(はなむけ)し侍(はべり)けるに


0886　遠所(とほきところ)に修行(すぎゃう)せむとて出立侍(いでたちはべり)けるに、人人別惜(ひとびとわかれお)しみて、詠侍(よみはべり)ける


0887　【○承前。欲赴遠所修行，將啟程時，人人惜別侍詠。】


0888　遠所(とほきところ)へ罷(まか)りける時(とき)、師光餞侍(もろみつはなむけしはべり)けるに詠(よ)める


0889　題知(だいし)らず


0890　【○承前。無題。】


0891　【○承前。無題。】


0892　都外(みやこのほか)へ罷(まか)りける人(ひと)に詠(よ)みて贈(をく)りける


0893　筑紫(つくし)へ罷(まか)りける女(をみな)に、月出(つきいだ)したる扇(あふぎ)を遣(つか)はすとて


0894　遠國(とほきくに)へ罷(まか)りける人(ひと)に遣(つか)はしける


0895　人(ひと)の國(くに)へ罷(まか)りける人(ひと)に、狩衣遣(かりごろもつか)はすとて詠(よ)める