千載和歌集 卷第十 賀歌


0606 御子(みこ)にて御座(おは)しましける(とき)鳥羽殿(とばどの)(わた)らせ(たま)へりける(ころ)八條院內親王(はちでうゐんのみこ)(まう)しける(とき)彼御方(かのみかた)にて、竹遐年友(たけはかねんのともなり)()へる(こころ)(かう)ぜられけるに、()ませ(たま)うける


0607 【○承前。後白河院猶為親王時,渡鳥羽殿之際,時八條院暲子內親王,於彼御方講竹遐年友之心而賜詠。】


0608 【○承前。後白河院猶為親王時,渡鳥羽殿之際,時八條院暲子內親王,於彼御方講竹遐年友之心而賜詠。】


0609 祝之心(いはひのこころ)詠侍(よみはべり)ける


0610 堀川院御時(ほりかはゐんのおほむとき)立春朝(はるたちのあさ)今日之心仕奉(けふのこころつかうまつ)るべき(よし)(はべり)ければ、(まう)(はべり)ける


0611 同御時后宮(おなじおほむときのきさいのみや)にて、花契遐年(はなはかねんにかなふ)()へる(こころ)を、殿上人(うへのをのこども)仕奉(つかうまつり)けるに()ませ(たま)うける


0612 鳥羽院(とばゐん)位降(くわゐおり)させ(たま)うての(ころ)庭花年久(はなのはなとしひさし)()へる(こころ)彼此仕奉(かれこれつかうまつり)けるに詠侍(よみはべり)ける


0613 堀川院御時(ほりかはゐんのおほむとき)鳥羽殿行幸日(とばどのにいでましのひ)池上藤(いけかみのふぢ)()へる(こころ)詠侍(よみはべり)ける


0614 白川院御時(しらかはゐんのおほむとき)鳥羽殿(とばどの)御座(おは)しましける(とき)松契遐年(まつはかねんをかなふ)()(こころ)()める


0615 京極前太政大臣高陽院家歌合(きゃうごくのさきのおほきおほいまうちぎみのかやのゐんのいへのうたあはせ)に、祝之心(いはひのこころ)詠侍(よみはべり)ける


0616 二條太皇太后宮(にでうのたいくわうたいごうぐう)賀茂齋院(かものいつき)(まう)しける(とき)本院(ほんゐん)にて、松枝映水(まつのえみづにうつる)()へる(こころ)詠侍(よみはべり)ける 【○齋宮齋院百人一首0063。】


0617 堀川院御時(ほりかはゐんのおほむとき)百首歌奉(ひゃくしゅのうたたてまつ)りける(とき)子日之心(ねのひのこころ)()める


0618 祝之心(いはひのこころ)()める


0619 保延二年(ほうえんのふたとせ)法金剛院(ほふこんがうゐん)行幸有(いでましあ)りて、菊契多秋(きくおほくのあきをちぎる)()へる(こころ)詠侍(よみはべり)ける


0620 【○承前。保延二年,有法金剛院行幸,侍詠菊契多秋之趣。】


0621 【○承前。保延二年,有法金剛院行幸,侍詠菊契多秋之趣。】


0622 百首歌召(ひゃくしゅのうため)しける(とき)祝之心(いはひのこころ)()ませ(たま)うける


0623 二條院御時(にでうゐんのおほむとき)大內(おほうち)御座(おは)しまして(はじ)めて、花有喜色(はなよろこびのいろあり)()へる(こころ)()ませ(たま)ひけるに詠侍(よみはべり)ける


0624 殿上人(うへのをのこども)百首歌奉(ひゃくしゅのうたたてまつ)りける(とき)祝之心(いはひのこころ)()ませ(たま)うける


0625 百首歌詠賜(ひゃくしゅのうたよみたま)ひける(とき)祝歌(いはひのうた)


0626 攝政(せっしゃう)右大臣(うだいじん)(はべり)ける(とき)百首歌詠(ひゃくしゅのうたよ)ませ(たま)ひけるに、祝歌五首中(いはひのうたいつしゅがうち)詠侍(よみはべり)ける


0627 二條院御時(にでうゐんのおほむとき)大炊御門高倉內裏(おほひのみかどのたかくらのだいり)(はべり)けるに、同西町家(おなじにしのちゃうのいへ)にて、(はじ)めて詩歌講(しいかこう)ぜられ(はべり)けるに、鶴契遐年(たづはかねんにかなふ)()へる(こころ)詠侍(よみはべり)ける


0628 閑院家(かんゐんのいへ)にて(はじ)めて、對松爭齡(まつにたいしてよはひをあらがふ)()へる(こころ)詠侍(よみはべり)ける


0629 【○承前。於閑院家,初詠對松爭齡之趣。】


0630 高倉院御時(たかくらゐんのおほむとき)內裏(だいり)參侍(まゐりはべり)けるに、上御笛(うへのみふゑ)萬歳樂吹(まんざいらくふ)かせ(たまひ)けるを、(はじ)めて(うけたま)りて又日(またのひ)女房中(にうばうのなか)申侍(まうしはべり)ける


0631 入道右大臣(にふだううだいじん)(はじ)めて中院家(ちゅうゐんのいへ)住侍(すみはべり)ける(とき)祝之心(いはひのこころ)()める


0632 橘俊綱朝臣伏見家(たちばなのとしつなのあそんのふしみのいへ)に、(かつら)掘植(ほりう)ゑさせ(はべり)けるに()める


0633 俊綱朝臣(としつなのあそん)讚岐守(さぬきのかみ)(まか)りける(とき)祝之心(いはひのこころ)()める


0634 後一條院御時(のちのいちでうゐんのおほむとき)長和五年大嘗會主基方御屏風(ちゃうわのいつとせだいじゃうゑすきのかたのみびゃうぶ)に、備中國長田山麓(びっちゅうのくにながたやまのふもと)琴彈遊(ことひきあそ)びしたる(ところ)()める


0635 白河院御時(しらがはゐんのおほむとき)承保元年大嘗會主基方稻舂歌(しょうほうのはじめのとせだいじゃうゑすきのかたのいねつきのうた)神田鄉(かむだのさと)()める


0636 院御時(ゐんのおほむとき)久壽二年大嘗會悠紀方風俗歌(きうじゅのふたとせだいじゃうゑゆきのかたのふぞくのうた)近江國若松森(あふみのくにわかまつのもり)()める


0637 平治元年大嘗會悠紀方風俗歌(へいぢのはじめのとせだいじゃうゑゆきのかたのふぞくのうた)近江國千坂浦(あふみのくにちさかのうら)()める


0638 同御時大嘗會主基方稻舂歌(おなじおほむときだいじゃうゑすきのかたのいねつきのうた)丹波國雲田村(たんばのくにくもだのむら)()める


0639 高倉院御時(たかくらゐんのおほむとき)仁安三年大嘗會悠紀方御屏風歌(にんあんのみとせだいじゃうゑゆきのかたのみびゃうぶのうた)


0640 今上御時(きんじゃうのおほむとき)元曆元年大嘗會悠紀方風俗歌(げんりゃくのはじめのとせだいじゃうゑゆきのかたのふぞくのうた)三神山(みかみのやま)()める