佛名の明日に、雪振りければ。
道綱母 殿、離給ひて後、久しうありて、七月十五日、盆の事等、聞こえの給へる御返事に。
道綱母 四の宮の御子の日に、殿に代奉りて。
道綱母 その子の日の日記を、宮に侍ふ人に借り給へりけるを、其の年は、后の宮うせさせ給へりける程に、暮れはてぬれば、次の年、春、返し給ふとて、端に。
道綱母 尚侍の御殿:「天の羽衣と言ふ題を読みて。」と聞こえさせ給へりければ。
道綱母 陸奧國にをかしかりける所所を、繪に描きて、持て昇りて見せ給ひければ。
道綱母 或る人、賀茂の祭の日、むごとりせむとするに、男の元より、あふひ嬉しきよし、言ひ起こせたりける返り言に、人に換はり。
道綱母 親の御忌にて、一つ所に、はらから達集まりておはするを、異人人は、忌果てて、家に歸りぬに、一人泊まりて。
道綱母 返し、為雅の朝臣。
為雅 當帝の御十五日に、亥の子の形を作りたりけるに。
道綱母 殿より八重山吹を奉らせ給へりけるを。
道綱母 はらからの、陸奧國の守にて降るを、長雨しける頃、其の降る日、晴れたりければ、斯の國に河伯とと言ふ神有り。
兄弟 返し。
道綱母 鶯、柳の枝に在りと言ふ題を。
道綱母 傅の殿、初めて女のがり、遣り給ふに、代はりて。
道綱母 度度の返り事無かりければ、杜鵑の形を作りて。
道綱 尚、返り事せざりければ。
道綱 また。
道綱 返し。
女 實方の兵衛佐に會はすべしと聞き給ひて、少將にて御坐しける程の事なるべし。
道綱 返し。
源滿仲女 返す事するを、親はらから制すと聞きて、まろこ菅にさして。
道綱 患ひ給ひて。
道綱 返し。
女 返り事する折、せぬ折の有りければ。
道綱 七月七日。
道綱 これは、後朝の。
道綱 入道殿、為雅朝臣の女を忘れ給ひにける後、日蔭の絲結びてとて、給へりければ、それに代はりて。
道綱母 女院、今だ位に坐しまししをり、八講行はせ給ひける捧げ物に、蓮の數珠参らせ給ふとて。
道綱母 同じ頃、傅の殿、橘を参させ給へりければ。
詮子 返し。
道綱 小一條の大將、白川に坐しけるに、傅の殿を「必ず坐せ」とて、待ち聞え給ひけるに、雨いたう降りければ、えおはせぬ程に、隨身して、「雫をおほみ」と聞え給へりける返り事に。
道綱 中將の尼に、家を借りた給ふに、貸し奉らざりければ。
道綱母 返し。
中將の尼 粟田野見て、歸り給ふとて。
道綱母 故為雅朝臣、普門寺に、千部の經供養するに坐して、歸り給ふに、小野殿の花、愛おもしろかりければ、車引き入れて、歸り給ふに。
道綱母 駒競べの負け態とおぼしくて、銀の瓜破子をして、院に奉らむとし給ふに、「この笥にうたむ」とて、攝政院より、歌聞えさせ給へりければ。
道綱母 繪のところに、山里に眺めたる女有り、杜鵑鳴くに。
此の歌は、寬和二年歌合にあり。 道綱母 法師の、舟に乘りたる處。
道綱母 殿、離れ給ひて後、「通ふ人あべし」等聞え給ひければ。
道綱母 歌合に、卯の花。
道綱母 杜鵑。
道綱母 菖蒲草。
道綱母 螢。
道綱母 常夏。
道綱母 蚊遣火。
道綱母 蟬。
道綱母 夏草。
道綱母 戀。
道綱母 祝ひ。
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