後撰和歌集 卷十四 戀歌六


0994 人許(ひとのもと)(つか)はしける


0995 (かへ)


0996 (みづか)詣來(までき)徹夜(よもすがら)物言侍(ものいひはべり)けるに、程無(ほどな)明侍(あけはべり)にければ、罷歸(まかりかへ)りて


0997 女許(をみなのもと)(つか)はしける


0998 (かへ)


0999 言煩(いひわづら)ひて()みにける(ひと)に、(ひさ)しう(あり)て、又遣(またつか)はしける


1000 (かへ)


1001 男詣來(をとこのまでき)好事(すきこと)をのみしければ、(ひと)如何(いかがみ)るらむとて


1002 (かへ)


1003 男久(をとこのひさ)しう(をとづ)れざりければ


1004 (かへ)


1005 (をとこ)の、只成(ただな)りける(とき)(つね)詣來(まうでき)けるが、物言(ものい)ひて(のち)は、(かど)より(わた)れど、詣來(までこ)ざりければ


1006 言侘(いひわび)二年許(ふたとせばかり)(をと)()()りにける(をとこ)の、五月許(さつきばかり)詣來(まうでき)て、「年頃久(としごろひさ)しう()りつる。」等云(などい)ひて(まか)りにけるに


1007 題知(だいし)らず


1008 物言侘(ものいひわ)びて女許(をみなのもと)言遣(いひや)りける


1009 (をみな)(ほか)(はべり)けるを、其處(そこ)にと(をし)ふる(ひと)(はべ)らざりければ、(こころ)づから(とぶら)ひて(はべり)ける返事(かへりごと)(つか)はしける


1010 (しの)びたる女許(をみなのもと)より、「()どか(をと)()ぬ?」と(まを)したりければ


1011 男詣來(をとこのまでこ)で、在在(ありあり)て、(あめのふ)()大傘(おほがさ)()ひに(つか)はしたりければ


1012 (はじ)めて(ひと)(つか)はしける


1013 言煩(いひわづら)ひて()みにけるを、又思出(またおもひいで)訪侍(とぶらひはべり)ければ、「甚定(いとさだ)()心哉(こころかな)。」と()ひて飛鳥川(あすかがは)(こころ)言遣(いひつか)はして(はべり)ければ


1014 思掛(おもひか)けたる女許(をみなのもと)


1015 (かへ)


1016 言交(いひかは)しける(をとこ)(おや)甚痛制(いといたうせい)すと()きて、(をみな)言遣(いひつか)はしける


1017 同所(おなじところ)(はべり)ける(ひと)の、思心侍(おもふこころはべり)けれど、()はで(しの)びけるを、如何(いか)なる(おり)にか()りけむ、(あたり)()きて(おと)しける


1018 (こころざし)をば(あはれ)(おも)へど、人目(ひとめ)になむ(つつ)むと()ひて(はべり)ければ


1019 題知(だいし)らず


1020 【○承前。無題。】


1021 【○承前。無題。】


1022 文等遣(ふみなどつか)はしける(をみな)異男(ことをとこ)付侍(つきはべり)けるに(つか)はしける


1023 (ととのふ)離方(かれがた)成侍(なりはべり)にければ、留置(とどめを)きたる(ふえ)(つか)はすとて


1024 菅原太政大臣家(すがはらのおほいまうちきみのいへ)(はべり)ける(をみな)通侍(かよひはべり)ける(をとこ)仲絕(なかた)えて、又問(またと)ひて(はべり)ければ


1025 (をみな)(をとこ)(いと)ひて、流石(さすが)如何思(いかがおぼ)えけむ、()へりける


1026 (かへ)


1027 女三內親王(をんなさんのみこ)


1028 甲斐(かひ)(ひと)物言(ものい)ふと()きて


1029 男許(をとこのもと)に、雨降(あめふ)(よる)(かさ)()りて()びけれど、()ざりければ


1030 (かへ)


1031 女許(をみなのもと)より、「甚痛(いといた)莫思侘(なおもひわ)びそ。」と賴遣(たのめおこ)せて(はべり)ければ


1032 元良親王(もとよしのみこ)(みそか)住侍(すみはべり)ける、「今來(いまこ)む。」と(たの)めて、()ずなりにければ


1033 (しの)びて住侍(すみはべり)ける人許(ひとのもと)より、「()かる氣色(けしき)(ひと)()()。」と()へりければ


1034 宇多院(うだのゐん)(はべり)ける(ひと)消息(せうそこ)(つか)はしける、返事(かへりごと)(はべ)らざりければ


1035 (かへ)


1036 由緣(つれな)(はべり)ける(ひと)


1037 立寄(たちよ)りけるに、女逃(をみなにげ)()りければ、(つか)はしける


1038 ()ひにける(をみな)の、又逢(またあ)はざりければ


1039 女許(をみなのもと)罷出(まかりそ)めて、(あした)


1040 男問(をとこのと)はず()りにければ


1041 (かへ)


1042 (をみな)物言(ものい)はむとて(きた)りけれど、異人(ことひと)物言(ものい)ひければ(かへ)りて


1043 (かへ)


1044 (ひと)(つか)はしける


1045 ()物言(ものい)ひける(ひと)の、大方(おほかた)(むつ)ましかりけれど、(ちか)うは得逢(えあ)はずして


1046 女許(をみなのもと)(つか)はしける


1047 (かへ)


1048 男許(をとこのもと)より、「花盛(はなざかり)()む。」と()ひて()ざりければ


1049 男久(をとこのひさ)しう()はざりければ


1050 相知(あひし)りて(はべり)ける人許(ひとのもと)(ひさ)しう(まか)らざりければ、「忘草何(わすれぐさなに)をか(たね)(おも)ひしは。」と云事(いふこと)言遣(いひつか)はしたりければ


1051 (かへ)


1052 (をみな)諸共(もろとも)(はべり)


1053 (かへ)


1054 元長親王(もとながのみこ)夏裝束(なつのさうぞく)して(をく)るとて、(そへ)たりける


1055 (ひさ)しう()はざりける(ひと)の、思出(おもひいで)て、「今宵詣來(こよひまうでこ)む。門鎖(かどさ)さで、相待(あひま)て。」と(まう)して、詣來(までこ)ざりければ


1056 (ひと)言煩(いひわづら)ひて、異人(ことひと)逢侍(あひはべり)りて(のち)如何有(いかがあり)けむ、(はじ)めの(ひと)思返(おもひかへ)りて、程經(ほどへ)にければ、(ふみ)()らずして、(あふぎ)高砂形描(たかさごのかたか)きたるに()けて(つか)はしける


1057 (かへ)


1058 思人(おもふひと)得逢侍(えあひはべ)らで、(わす)られにければ


1059 題知(だいし)らず 【○拾遺集0964。】


1060 【○承前。古今集0766。】


1061 【○承前。】


1062 (たの)めたりける(ひと)


1063 (をみな)(つか)はしける


1064 題知(だいし)らず


1065 【○承前。無題。】


1066 【○承前。無題。】


1067 「(さだ)まらぬ心有(こころあり)。」と女言(をみなのい)ひたりければ(つか)はしける 【○後撰集0752。】


1068 (ひさ)しう罷通(まかりかよ)はず()りければ、十月許(かんなづきばかり)雪少降(ゆきのすこしふ)りたる(あした)言侍(いひはべり)ける


1069 源正明朝臣(みなもとのただあきらのあそん)十月許(かんなづきばかり)常夏(とこなつ)()りて(をく)りて(はべり)ければ


1070 (をみな)の、(うら)むる事有(ことあり)親許(おやのもと)罷渡(まかりわた)りて(はべり)けるに、雪深降(ゆきのふかくふ)りて(はべり)ければ、(あした)(をみな)(むか)へに車遣(くるまつか)はしける消息(せうそこ)(くは)へて(つか)はしける


1071 (かへ) 【○古今集0978。】


1072 志侍(こころざしはべ)(をみな)宮仕(みやづか)へし(はべり)ければ逢事難(あふことかた)くて(はべり)けるに、雪降(ゆきのふ)るに(つか)はしける


1073 (かへ)


1074 物言侍(ものいひはべり)ける(をみな)に、年果(としのはて)(ころ)ほひ、(つか)はしける