後撰和歌集 卷第十 戀歌二


0601 女許(をみなのもと)(はじ)めて(つか)はしける


0602 【○承前。初贈女許。】


0603 【○承前。初贈女許。】


0604 ()年若(としわか)かりける(をみな)()つかはしける


0605 (ひと)言始(いひはじ)めむとて


0606 【○承前。】


0607 女曹司(をみなのざうし)夜夜立寄(よるよるたちよ)りつつ、物等言(ものなどい)ひて(のち)


0608 文遣(ふみつか)はせども返事(かへりごと)もせざりける女許(をみなのもと)(つか)はしける 【○拾遺集0996。】


0609 國用(くにもち)(をと)もせざりければ(つか)はしける


0610 題知(だいし)らず


0611 (かへ)


0612 (また)


0613 (わざ)とにはあらで時時物言振(ときどきものいひふ)(はべり)ける(をみな)の、(こころ)にもあらで(ひと)(さそ)はれて(まか)りにければ、宿直物(とのひもの)書付(かきつ)けて(つか)はしける


0614 相知(あひし)りて(はべり)ける(をみな)(ひさ)しう()はず(はべり)ければ、「甚痛(いといた)うなむ侘侍(わびはべ)る。」と(ひと)告侍(つげはべり)ければ


0615 文通(ふみかよ)はしける女異人(をみなのことひと)()ひぬと()きて(つか)はしける


0616 男來(をとこのこ)ざりければ(つか)はしける


0617 題知(だいし)らず


0618 (かへ)


0619 人許(ひとのもと)(つか)はしける


0620 (ひと)(つか)はしける


0621 (をみな)(つか)はしける


0622 【○承前。】


0623 (をとこ)(つか)はしける


0624 女許(をみなのもと)(つか)はしける


0625 「(おのれ)思隔(おもへだ)てたるこころあ(心あ)り。」と()へる(をみな)返事(かへりごと)(つか)はしける


0626 遠所(とをきところ)(まか)りける(みち)より()事無(ことな)(こと)によりて(きゃう)人遣(ひとつか)はしける(つい)でに、文端(ふみのはし)書付(かきつ)けて(はべり)ける


0627 相知(あひし)りて(はべり)ける人許(ひとのもと)より、(ひさ)しく()はずして、「如何(いか)にぞ、()()きたるや?」と(たはぶ)れて(はべり)ければ


0628 人許(ひとのもと)屢屢罷(しばしばまか)りけれど、逢難(あひがた)(はべり)ければ、(もの)書付(かきつ)(はべり)ける


0629 男侍(をとこはべ)(をみな)甚切(いとせち)()はせ(はべり)けるを、(をみな)、「甚理無(いとわりな)し。」と()はせければ


0630 女許(をみなのもと)より、「志程(こころざしのほど)をなむ得知(えし)らぬ。」と()へりければ


0631 言交(いひかは)しける女許(をみなのもと)より、「(なほ)ざりに()ふにこそ()んめれ。」と()へりければ 【○拾遺集0623。】


0632 物賜(もののたう)びける女許(をみなのもと)文遣(ふみつか)はしたりけるに心地惡(ここちあ)しとて返事(かへりごと)もせざりければ、又遣(またつか)はしける


0633 大船(おほつぶね)物賜遣(もののたうびつか)はしけるを、(さら)聞入(ききい)れざりければ、(つか)はしける


0634 (かへ) 【○古今集0630。】


0635 返事為(かへりごとせ)ざりける女文(をみなのふみ)(から)うじて()


0636 同所(おなじところ)にて見交(みかは)しながら、得逢(えあ)はざりける(をみな)


0637 志有(こころざしあ)りける(をみな)(つか)はしける


0638 【○承前。贈有意之女。】


0639 兵衞(ひゃうゑ)(つか)はしける


0640 罷出(まかりいで)御文遣(みふみつか)したりければ


0641 御返(みかへ)


0642 題知(だいし)らず


0643 【○承前。無題。古今集假名序。】


0644 【○承前。無題。】


0645 【○承前。無題。】


0646 年久(としひさ)しく(かよ)はし(はべり)ける(ひと)(つか)はしける


0647 題知(だいし)らず


0648 (かへ)


0649 心指(こころざ)せる女家邊(をみなのいへのあたり)(まか)りて言入侍(いひいれはべり)ける


0650 題知(だいし)らず


0651 東宮(とうぐう)鳴門(なると)()戶許(とのもと)に、(をみな)物言(ものい)ひけるに、親戶(おやのと)()して()てて率入(ゐてい)りにければ、又朝(またのあした)(つか)はしける


0652 題知(だいし)らず


0653 長明親王母(ながあきらのみこのはは)更衣(かうい)(さと)(はべり)けるに(つか)はしける


0654 題知(だいし)らず


0655 在所(ありところ)()りながら得逢(えあ)ふまじかりける(ひと)(つか)はしける


0656 女許(をみなのもと)(つか)はしける


0657 (かへ)


0658 (ひと)言煩(いひわづら)ひて(つか)はしける


0659 (かへ)


0660 女許(をみなのもと)(まか)りたりけるを、(ただ)にて(かへ)(はべり)ければ、言入侍(いひいれはべり)ける


0661 相知(あひし)りて(はべり)ける(ひと)(ひさ)しう()はずして、(まか)りたりければ、(かど)より返遣(かへしつか)しけるに


0662 男許(をとこのもと)より、「(いま)異人在(ことひとあ)んなれば。」と()へりければ、(をみな)(かは)りて


0663 (かへ)


0664 題知(だいし)らず


0665 人心變(ひとのこころかは)りにければ 【○後撰集0706。】


0666 定國朝臣(さだくにのあそん)御息所(みやすどころ)清蔭朝臣(きよかげのあそん)陸奧國(みちのくに)()所所(ところどころ)()くして(うた)詠交(よみかは)して「(いま)()むべき所無(ところな)し。」と()ひければ


0667 異女文(ことをみなのふみ)を、()の、「()む。」と()ひけるに()せざりければ、(うら)みけるに、其文裏(そのふみのうら)書付(かきつ)けて(つか)はしける


0668 (ひさ)しう()はざりける(をみな)(つか)はしける 【○拾遺集0907。】


0669 題知(だいし)らず


0670 【○承前。無題。萬葉集3961。】


0671 【○承前。無題。】


0672 年經(としへ)言渡侍(いひわたりはべり)ける(をみな)


0673 題知(だいし)らず


0674 離方(かれがた)()りける(ひと)に、末黃變(すゑもみぢ)たる(えだ)()けて(つか)はしける


0675 女許(をみなのもと)より(かへ)りて、(あした)(つか)はしける


0676 兼輔朝臣(かねすけのあそん)逢始(あひはじ)めて、(つね)にしも()はざりける(ほど)


0677 方塞(かたふた)がりける(ころ)(たが)へに(まか)るとて


0678 題知(だいし)らず


0679 (しの)びて通侍(かよひはべり)ける女許(をみなのもと)より狩裝束送(かりさうぞくをく)りて(はべり)けるに、()れる狩衣侍(かりぎぬはべり)けるに


0680 題知(だいし)らず


0681 (しの)びて逢渡侍(あひわたりはべり)ける(ひと)


0682 寬平帝(くわんびゃうのみかど)御髮(みぐしおろ)させ(たま)うての(ころ)御帳(みちゃう)(めぐ)りにのみ(ひと)(さぶら)はせ(たま)うて、(ちか)()せられざりければ、()きて御帳(みちゃう)結付(むすびつ)けける


0683 男許(をとこのもと)(つか)はしける


0684 「(つき)(あはれ)()ふは()(なり)。」と()人有(ひとのあり)ければ


0685 男許(をとこのもと)(つか)はしける


0686 (はじ)めて(ひと)(つか)はしける


0687 (はつ)かに(ひと)()(つか)はしける 【○古今集0480。】


0688 人家(ひとのいへ)より物見(ものみ)(いづ)(くるま)()て、心付(こころづ)きに覺侍(おぼえはべり)ければ、「()ぞ?」と尋問(たづねと)ひければ、(いで)ける家主(いへのあるじ)()きて(つか)はしける


0689 (ひと)思掛(おもひか)けて心地(ここち)(あら)ずや(あり)けむ、(もの)()はずして、日暮(ひく)るれば、()きも()がらずと()きて、此思掛(このおもひか)けたる女許(をみなのもと)より、「()如是好(かくす)()きしくは?」と()ひて(はべり)ければ


0690 心掛(こころか)けて(はべり)けれど、言攫(いひつか)(かた)()く、由緣無態(つれなきさま)()えければ、(つか)はしける


0691 (をとこ)の、(をみな)文遣(ふみつか)はしけるを、返事(かへりごと)もせで()えにければ、又遣(またつか)はしける


0692 (をとこ)(たび)より迄來(までき)て、「(いま)なむ迄來(までき)つきたる。」と()ひて(はべり)ける返事(かへりごと)


0693 (をとこ)の、程久(ほどひさ)しう()りて迄來(までき)て、「御心(みこころ)甚辛(いとつら)さに十二年の山籠(やまごも)りしてなむ、(ひさ)しう(きこ)えざりつる。」と言入(いひい)れたりければ、呼入(よびい)れて物等言(ものなどい)ひて、返遣(かへしつか)はしけるが、又音(またをと)()ざりければ


0694 (かへ)


0695 (ひと)思掛(おもひか)けて(つか)はしける


0696 (かへ)


0697 人許(ひとのもと)(はじ)めて文遣(ふみつか)はしたりけるに、返事(かへりごと)()くて、唯紙(ただかみ)引結(ひきむす)びて(かへ)したりければ


0698 如是(かく)(おこ)せて(はべり)けれど、宮使(みやづか)へする(ひと)なりければ、暇無(いとまな)くて、又朝(またのあした)常夏花(とこなつのはな)()けて(おこ)せて(はべり)ける


0699 (かへ)