大道奉仰詞
掛けまくも畏き 天祖の大御神 此の国中に生れましてより 御子を産み給ひ 孫を生ましめ
給ひ
曾孫を生ましめ給ひ 玄孫を生ましめ給ひ 尚ほ其末の御血統の長く連続きて 当代に我が祖父に及び
我が祖母に及び 我が父に及び 我が母に及び 今や吾れにぞ及びたる 父母吾れを生み給ひ
御身を
劬ましめ給ひけむ 御心を労ましめ給ひけむ 父吾れを養ひ 吾れを育て吾れを愛でては
烏羽玉の夜とだになく 昼ともあらず 我が頂頭を撫で給ひけむ 母吾れを抱き 吾れを負ひ 吾れを顧み
介添ひし 夜は夜もすがら 腹裡にして寝を安くし給はず 汚きをも
穢とし給はず
その血脈の乳を呑みては 父の恩の高きを知らず 母の恵の深きを知らず 漸く長け来たりて
是れを覚りて 恩恵に報い奉らむとすると雖も 仰げば高き久方の 天津虚空の弥遠に
限りもあらぬ荒金の 大地の底のそれとだに 量りも敢へぬ 尊恩恵に報い奉らむ事難かるべし
尚ほ我が父にも父母在り 我が母にも父母在り その父母にも父母在り 尚ほその以前の往古の
上りたる代の 神代の天祖の神達の その本繁き千早振る 幾許の数と磐隠れます
千千の柱の祖の神の 其の御血統の子孫の末を 愛で慈しみ給はむ事言の葉草に掛けまくも
最も畏き事になむ此の由縁を以て 異国の異なる教の異神の 異なる道に往惑ふべからず
唯天祖の神達の尊き苗胤に生れし身の 其の御血統の祖神の他に 祈らむ道を知らず
尊むべく 畏むべく 唯只管に祈るべし 祈る心も永久に 常磐堅磐の神祭をも絶えせで
祭り奉らむ誓ひ願はくば 天祖の大神と仰ぎ奉る 宇宙の元神霊 皇大御神の恩頼を
弥益益に戴き奉り 大神旨 遠津御祖の神達の践み伝へませる 大道の跡を 只管に慕ひ奉り
臣の正道只一筋に仕へ
奉り 踏み行ひ 垂乳根の
親に従ふ 御国風の随に
同胞睦びて序しく 友に交りて信しく 家を守りて質しく 我が事業を誠しくせむ 伏し願はくば
心にも図らで 犯せし罪科を容赦させ給ひて 天祖の神達の苗裔の
吾れの我が裔の子孫の末に到るまで 家をも身をも守護り給ひ 幸はへ給ひ
弥永久に常磐木の弥繁りに 茂らしめ給ひ 弥栄えに 栄えしめ
給へと申す事を 聞こし食せと 恐こみ 恐こみも 白す
神道大意詞
夫れ神とは 天地に先立ちて
而も天地を定め 陰陽を
超えて 而も陰陽を成す
天地に在りては神と云ひ 万物に在りては 霊と云ひ 人に在りては 心と云ふ
心とは神なり 故に神は天地の根元 万物の霊性 人倫の運命なり
当に知る 心は即ち神明の舎 形は天地と同根たる事を
明光照頂詞
凡そ 神は正直を以て
先となす 正直は清浄を以て本となす
清浄は心に正さを失はず 物を穢さず 大道を守り
定準を専らにす
是を以て 明光頂を照らし 霊徳掌に入る 願を成して 何ぞ成らざらんや
万事は一心の作なり 時時
奉行して 面面怠ることなかれ
一念未生詞
一念未生の処 即ち天津祝詞の太祝詞なり 我が一心は即ち天地と観ずべし
神我が心に入る 我も亦神の御内証に入るや明鏡なり 無心無念の祓なり
此くの如く 無念無想にして神に向へば 即ち吾れ神明と共に同じく
一切の祈願成就すること円なり 即ち如実に自心を知るの神道にして
我れ入り 我に入るの 観なり