後拾遺和歌集　卷十一　戀一


 0604　東宮(はるのみや)と申(まう)しける時(とき)、故內侍督許(こないしのかみのもと)に始(はじ)めて遣(つか)はしける


0605　始(はじ)めたる人(ひと)に遣(つか)はしける


0606　題知(だいし)らず


0607　女(をみな)を語(かた)らはむとて乳母許(めのとのもと)に遣(つか)はしける


0608　返(かへ)し


0609　始(はじ)めたる女(をみな)に遣(つか)はしける


0610　【○承前。贈初女。】


0611　男(をとこ)の初(はじ)めて人許(ひとのもと)に遣(つか)はしけるに代(かは)りて詠(よ)める


0612　女(をみな)に初(はじ)めて遣(つか)はしける　【○百人一首0051。】


0613　初戀(はじめのこひ)を詠(よ)める


0614　月明(つきあか)き夜眺(よなが)めしける女(をみな)に、年經(としへ)て後(のち)に遣(つか)はしける


0615　心懸(こころか)けたる人(ひと)に遣(つか)はしける


0616　同胞侍(はらからはべり)ける女許(をみなのもと)に、弟(おとと)を思掛(おもひか)けて、姉(あね)なる女許(をみなのもと)に遣(つか)はしける


0617　題知(だいし)らず


0618　【○承前。無題。】


0619　八月許(はづきばかり)女許(をみなのもと)に、芒穗(すすきのほ)に插(さ)して遣(つか)はしける


0620　題知(だいし)らず


0621　女(をみな)を控(ひか)へて侍(はべり)けるに、情(なさ)けなくて入(い)りにければ、務(つと)めて遣(つか)はしける　【○金葉集三奏本0389。】


0622　五節(ごせち)に出(いで)て搔繕等(かいつくろひなど)し侍(はべり)ける女(をみな)に遣(つか)はしける


0623　始(はじ)めて女許(をみなのもと)に春立(はるた)つ日(ひ)遣(つか)はしける


0624　題知(だいし)らず


0625　文遣(ふみつか)はしける女(をみな)の返事(かへりごと)を為(せ)ざりければ詠(よ)める


0626　返事為(かへりごとせ)ぬ女(をみな)の異人(ことひと)には遣(や)ると聞(き)きて


0627　返事為(かへりごとせ)ぬ人(ひと)に、山寺(やまでら)に罷(まか)りて遣(つか)はしける


0628　女(をみな)の家近所(いへちかきところ)に渡(わた)りて、七月七日(たなばた)に遣(つか)はしける


0629　七夕後朝(たなばたのきぬぎぬ)に、女許(をみなのもと)に遣(つか)はしける


0630　人(ひと)の冰(こほり)を包(つつ)みて、身(み)に沁(し)みて等言(などい)ひて侍(はべり)ければ


0631　題知(だいし)らず


0632　殿上人(うへのをのこども)、所名(ところのな)を探(さぐ)りて歌奉侍(うたたてまつりはべり)けるに、逢坂關(あふさかのせき)の戀(こひ)を詠(よ)ませ給(たま)ひける


0633　題知(だいし)らず


0634　返(かへ)し


0635　【○承前。答歌。】


0636　入道一品宮(にふだういっぽんのみや)に侍(はべり)ける陸奧國(みちのくに)が許(もと)に遣(つか)はしける　【○萬葉集1010。】


0637　嬉(うれ)しきと云(い)ふ童(わらは)に文通(ふみかよ)はし侍(はべり)けるに、異人(ことひと)に物言(ものい)はれて程(ほど)も無(な)く忘(わす)られにけりと聞(き)きて遣(つか)はしける


0638　題知(だいし)らず


0639　文通(ふみかよ)はす女(をみな)、異方樣(ことかたざま)に成(な)りぬと聞(き)きて遣(つか)はしける


0640　公資朝臣(きみよりのあそん)に相具(あひぐ)して侍(はべり)けるに、中納言定賴(ちゅうなごんさだより)忍(しの)びて訪(おとづ)れけるを、隙無(ひまな)き樣(さま)をや見(み)えけむ、絕間勝(たえまがち)に訪侍(おとなひはべり)ければ


0641　春(はる)より物言(ものい)ひける女(をみな)の、秋(あき)に成(な)りて露許(つゆばかり)物言(ものい)はむと言(い)ひて侍(はべり)ければ、八月許(はづきばかり)に遣(つか)はしける


0642　宇治前太政大臣家(うぢのさきのだいじゃうだいじんのいへ)の卅講後(さんじっこうのあと)の歌合(うたあはせ)に


0643　止事無(やむごとな)き人(ひと)を思掛(おもひか)けたる男(をとこ)に代(かは)りて


0644　女許(をみなのもと)に遣(つか)はしける


0645　題知(だいし)らず


0646　【○承前。無題。】


0647　女(をみな)の、淵(ふち)に身(み)を投(な)げよと言侍(いひはべり)ければ


0648　題知(だいし)らず


0649　賀茂祭(かものまつり)の歸途(かへさ)に前駈仕奉(まへかきつかうまつ)れりけるに、青色紐落(あをいろのひものお)ちて侍(はべり)けるを、女車(をみなのくるま)より唐衣紐(からごろものひも)を解(と)きて綴付侍(とぢつけはべり)けるを、尋(たづ)ねさせけれど、誰(たれ)とも知(し)らで止侍(やみはべ)りにけり。又年(またのとし)の祭(まつり)の垣下(かいもと)にて、齋院(さいゐん)に參侍(まゐりはべり)けるに、女(をみな)の、何方(いづら)、付(つ)けし紐(ひも)はと訪(おとづ)れて侍(はべり)ければ、遣(つか)はしける


0650　返(かへ)し


0651　題知(だいし)らず


0652　【○承前。無題。】


0653　女許(をみなのもと)に言遣(いひつか)はしける


0654　返(かへ)し


0655　題知(だいし)らず


0656　【○承前。無題。】　【○金葉集三奏本0383。】


0657　長久(ちゃうきう)二年弘徽殿女御家歌合(こきでんのにょうごのいへのうたあはせ)し侍(はべり)けるに詠(よ)める


0658　俊綱朝臣家(としつなのあそんのいへ)に題(だい)を探(さぐ)りて歌詠侍(うたよみはべり)てけるに、戀(こひ)を詠(よ)める


0659　文(ふみ)に書(か)かむに良(よ)かるべき歌(うた)とて、俊綱朝臣(としつなのあそん)人人(ひとびと)に詠(よ)ませ侍(はべり)けるに詠(よ)める


0660　【○承前。取書信所誌之曲，俊綱朝臣令眾人詠讀而作。】


0661　關白前左大臣家(くわんぱくさきのさだいじんのいへ)に人人(ひとびと)、經年戀(としをへるこひ)と云(い)ふ心(こころ)を詠侍(よみはべり)けるに


0662　【○承前。關白前左大臣家，眾人詠經年戀之趣。】


0663　日頃今日(ひごろけふ)と賴(たの)めたりける人(ひと)の、然(さ)も有(あ)るまじげに見(み)え侍(はべり)ければ詠(よ)める